Update No.1 — 2026年10月1日の制度移行と10月2日朝までの確認結果

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一般社団法人サステナビリティ・コーディネーター協会(JaSCA)

公表版 | 2026年10月2日

1.本Updateの位置付け

JaSCAは2026年9月25日、ECGT/EmpCoと観光サステナビリティ認証に関する中間レビューを公表しました。同レビューは、9月27日の適用開始を前に、certification scheme、第三者保証、認証データ流通、OTAでのconsumer-facing display、Green Keyの9月27日から10月1日にかけての移行について、公開情報に基づき6つのOpen Questionsを提示したものです。

本Update No.1は、9月25日版を置き換えるものではありません。9月27日の適用開始後、かつGreen Keyの新しいcriteria/certification processが10月1日に発効した時点で、制度・公開情報・OTA表示にどのような変化が生じたかを差分として記録します。

特定の制度・組織について適法・違法を断定するものではありません。確認できた事実、なお未確認の事項、新たに生じた不整合を分けて示します。

2.9月25日以降に確認された主要な変化

(1) EmpCoの適用開始

Directive (EU) 2024/825を実施する各国措置の適用時期である2026年9月27日を迎えました。Travalystの現在のCertifications Initiativeも、Directiveに基づく措置が9月27日から適用される段階に入ったことを踏まえた説明へ移行しています。

(2) Green Key新制度の発効

Green Keyの2026–2031 Criteriaおよび新Certification Processは10月1日に発効しました。新規申請者は新criteriaを使用し、既存認証施設は新criteriaでre-certificationを行うまで2022–2026 criteriaを継続するtransitionが公表されています。

(3) Conformity assessment structureの具体化

Green KeyはFEEをScheme Ownerとし、on-site certification auditにはindependent third-party auditorsを使用すると説明しています。Audit Independerはindependent Certification Bodyとして、auditor approval/assignment、certification decision、certificate issuance、surveillance、suspension/withdrawal、appeals/complaintsに責任を持つ構造が公開されています。

(4) Transition rulesの具体化

10月1日以降について、新規申請、on-site auditを伴うre-certification、off-site surveillance/desktop reviewによる継続認証のケースが公表されました。新制度では原則2年certificateとなり、transition caseによっては1年延長も規定されています。

3.今回の検証で浮かび上がった中心課題 — assurance informationのtraceabilityとflattening

9月25日以降、JaSCAはScheme Owner、Certification Body、認定・適合性評価関係者、data intermediary、OTA、研究者・業界団体等への照会と公開情報の確認を進めてきました。

その結果、今回の検証で浮かび上がった中心課題は、個々のcertification schemeがEmpCo上の条件を満たすかという問題だけではありません。認証制度の上流で形成された保証に関する詳細情報が、データ仲介・OTA表示を経る過程で失われ、異なる保証モデルがconsumer-facing layerで同じ一般的な表示へ平坦化される可能性です。

本Updateでは、この現象を便宜上“assurance flattening”と呼びます。

検証すべきchainは次のとおりです。

Scheme
→ Certification / Assurance
→ Data intermediary
→ Trader / OTA
→ Consumer

上流では、criteria、scope、scheme version、certificate validityに加え、誰がauditを行い、誰がcertification decisionを行い、その主体のcompetence/independenceが何によってsubstantiatedされているかというgranularなassurance informationが存在し得ます。

しかし、この情報がdownstreamへ移動するにつれ、一部のmetadataが保持されなければ、最終的に異なる保証構造が“certified”“sustainable”“third-party sustainability certification”等の一般的カテゴリーへ集約される可能性があります。

この問題は、各主体が個別に正しい手続を持っているかという問題とは別です。Scheme Owner、Certification Body、data intermediary、OTAがそれぞれ自らの役割を適切に説明していても、chain全体としてconsumerに届く情報が平坦化されれば、consumerは保証の性質や強度の意味ある違いを識別できない可能性があります。

言い換えれば、

legal eligibility
≠
meaningful consumer information

です。

また、chain上では責任が複数主体へ分散する一方、consumer-facing displayは一つの画面へ集約されます。したがって、「誰が適法性を保証するのか」という責任分担の問題と、「consumerにどの保証情報が届くのか」という情報設計の問題を分けて検討する必要があります。

4.Green Keyを用いたassurance traceability case

Green Keyは、制度の優劣を判定する対象ではなく、一つの実在するcertification schemeについて、上流のassurance informationがdownstreamのconsumer-facing displayまでどのように伝達されるかを追跡するcaseとして扱います。

(1) Upstream — Scheme / Certification / Assurance

Green KeyではFEEがScheme Ownerであり、新制度ではAudit IndependerがCertification Bodyとして位置付けられています。criteria、certification process、transition rules、auditorとCertification Bodyの役割等は公開情報から確認できます。

external substantiationについては、10月2日にDANAKおよびRvAからJaSCAへの直接回答があり、事実関係が更新されました。

DANAKは、Green Key certification schemeを評価し、ISO/IEC 17065:2012にalignedしており、accreditationに適したschemeであると判断したことを確認しました。一方、DANAKは、Green Key schemeに基づくcertificationについて、Certification Bodyを一社もaccreditしていないことも明確に回答しました。また、特定schemeについてCertification Bodyをaccreditすることはscheme evaluationとは別のassessmentであり、その前提としてISO/IEC 17011:2016 clause 4.6.3に基づくscheme evaluationが必要であると説明しています。

DANAKはscheme evaluationの結果についてpublic statementを発行していないため、公開一次recordを特定できなかったという10月2日朝までのJaSCAの観測は、公開情報調査としては維持されます。ただし、scheme evaluation自体が完了していることは、今回のDANAKからの直接回答によって確認されました。

また、オランダのNational Accreditation BodyであるRvAは10月2日、JaSCAへの回答で、Audit Independer Group自体はRvAによるaccreditationを受けていないと明確に確認しました。

したがって現時点で確認できる事実は、①Green Key schemeはDANAKによるevaluationを完了している、②DANAKはGreen Key schemeについてCertification Bodyをaccreditしていない、③Audit Independer Group自体はRvA-accreditedではない、という3点です。

今回の回答により、Green Keyのscheme自体がDANAKの評価を受けていることと、実際に認証を行うCertification Bodyのcompetence/independenceが外部的に確認されていることは、別の問題として検討する必要があることが明らかになりました。

Article 2(r)(iv)は、traderのscheme requirementsへのcomplianceをmonitoringする第三者について、そのcompetence and independenceがinternational、Union又はnational standards and proceduresに基づくことを求めています。Recital 7は、その具体例としてISO 17065への適合やRegulation (EC) No 765/2008のmechanismsを挙げています。

現時点では、DANAKによるGreen Key scheme evaluationは確認された一方、DANAKはGreen KeyについてCertification Bodyをaccreditしておらず、RvAもAudit Independer Group自体がRvA-accreditedではないことを確認しています。したがって、scheme evaluationとは別に、実際にCertification Bodyとして機能するAudit Independerのcompetence and independenceがArticle 2(r)(iv)の求めるstandards and proceduresに基づいていることを、何が外部的にsubstantiatedしているのかという核心的な問題が残ります。現在確認できている情報だけを前提とすれば、Green Keyの現在のassurance structureがArticle 2(r)(iv)の要件を満たしているかについて、相当程度の疑義が生じています。

ただし、ISO/IEC 17065 accreditationはDirectiveが明文で要求する唯一の方法ではありません。Audit Independerのcompetence and independenceを支える別のinternational、Union又はnational standards and proceduresが存在する可能性があるため、JaSCAは現段階で最終的な法的不適合を断定せず、FEE/Audit Independerにその根拠の明示を求めています。

(2) Middle layer — certification data

BeCauseからは、同社が保持するstructured fieldsと保持しない情報について説明を受けています。これにより、Scheme Owner側に存在する情報とdata distribution layerで保持される情報を区別して追跡する必要があります。

Travalystではscheme自身がself-assess/self-declareし、Travalyst自身はcertification schemeのDirective適合性をassess/reviewする主体ではないと説明しています。したがって、Travalyst listへの掲載と、Directive適合性についての独立した第三者確認は同義ではありません。

(3) Downstream — OTA display

10月1日および10月2日朝に確認したBooking.comのGreen Key認証施設ページでは、

“This property has 1 third-party sustainability certification”
“Green Key (FEE)”

というconsumer-facing presentationが継続していました。

Booking.comはJaSCAへの回答で、certification schemesに異なるassurance modelsが存在することを認識する一方、現時点ではtraveller-facing displayで異なるassurance levelsを区別していないと説明しています。

検索可能なconsumer-facing pagesでは、Green Key/FEEの名称は確認できる一方、上流で識別できる複数のassurance-related attributesの一部は確認できませんでした。ただし、これは検索可能なweb表示についての観測であり、interactive layer、app、APIその他すべての表示面について判断するものではありません。

(4) Traceの観測結果

このcaseでは、upstreamで複数のassurance-related factsと未確認事項を区別できる一方、検索可能なconsumer-facing displayではgenericな“third-party sustainability certification”として提示されていることを確認しました。

この観測がGreen KeyまたはBooking.comの適法・違法を直ちに意味するものではありません。ここでは、上流から下流まで同じ情報項目を追跡した際に、consumer-facing layerで確認できる情報がどこまで残るかを記録しています。

5.現時点で考えられるminimum assurance metadata

今回の検証から、少なくとも以下の情報について、どのlayerまで保持・伝達する必要があるかを検討する余地があります。

・scheme / certification name
・applicable criteria / scheme version
・certificate status
・certificate validity / expiry
・certification scope
・Certification Body
・audit / verification model
・CB accreditation又はその他のexternal substantiationに関するstatus
・certificate又はrecordを一意に確認できるidentifier
・transition status(必要な場合)

これは現時点でJaSCAが法的なmandatory datasetを提示するものではありません。今後、法的必要性、consumer relevance、実装可能性、data minimisation等を分けて検討すべき論点です。

6.9月25日のOpen Questions — 10月1日時点の更新

Q1.OTAは表示前に何を確認するのか
判定:Partly resolved

欧州委員会FAQ等により、表示するtraderがschemeのpublicly available termsを確認するという方向はより明確になりました。一方、各OTAがArticle 2(r)のunderlying conditionsをどのevidence/criteria/procedureで確認しているかは、なお完全には確認できていません。

Q2.assurance metadataはどこまで保持・伝達されるのか
判定:Partly resolved

BeCauseからstructured dataとして保持する項目/保持しない項目の説明が得られ、Scheme Owner側にも詳細なdataが存在する事例が確認されました。一方、scheme/CB→intermediary→OTA→consumerの全経路をfield-by-fieldで追跡できる状態には至っていません。

Q3.異なるassurance levelをOTA/consumer-facing displayでどう扱うのか
判定:Partly resolved / consumer-facing differentiation remains limited

Booking.comはJaSCAへの回答で、assurance modelsが異なることを認識する一方、現時点ではtraveller向けに異なるassurance levelsを区別していないと説明しています。10月1日の実表示でもGreen Keyはgenericな“third-party sustainability certification”として表示されています。consumerが保証構造の意味ある違いを識別するためのminimum informationは未解決です。

Q4.Green Keyの9月27〜30日のcertificate/label継続を何が支えたのか
判定:Still open / transition-specific issue

10月1日以降の新制度とtransition ruleは具体化しました。しかし9月27〜30日の間、既存certificate/labelの継続使用について、Article 2(r)(iv)との関係でどのstandards/proceduresがmonitoring bodyのcompetence/independenceをsubstantiatedしていたのかは、公開情報から十分特定できていません。

Q5.DANAK scheme evaluation/approval、新CBのexternal substantiation、既存certificate移行はどう接続するのか
判定:Partly resolved / factual status clarified; significant conformity question remains

10月2日のDANAKからの直接回答により、Green Key certification schemeのevaluationが完了し、ISO/IEC 17065:2012にalignedしaccreditationに適したschemeと判断されたことが確認されました。同時にDANAKは、Green Key schemeについてCertification Bodyを一社もaccreditしていないと回答しました。またRvAは、Audit Independer Group自体がRvA-accreditedではないことを確認しました。これにより、scheme evaluationとCB accreditationの事実関係は明確になりました。Article 2(r)(iv)が第三者のcompetence and independenceについてinternational、Union又はnational standards and proceduresに基づくことを求めていることに照らすと、現在確認できている情報だけを前提とした場合、Green Keyの現在のassurance structureが同要件を満たしているかについて相当程度の疑義が残ります。ただし、ISO/IEC 17065 accreditationは唯一の適合経路ではないため、JaSCAは最終的な法的不適合を断定せず、FEE/Audit Independerによる他のstandards/procedures上の根拠の有無を引き続き確認します。

Q6.日本のGreen Key認証施設にはどのtransition guidanceが適用されるのか
判定:Still open

JARTAは引き続きGreen KeyのJapan National Operatorとして掲載され、日本国内の認証施設を公表しています。しかし、9月27日以降のlabel use、renewal、旧制度から新制度への移行について、日本の認証施設向けに具体的に説明した公開guidanceは今回の確認では特定できませんでした。

7.10月1日時点で新たに生じたQuestions

  1. Green Keyの公開情報に残るDANAK status表記を、10月2日のDANAK直接回答に照らしてどのように更新・統一するか。
  2. DANAKによるscheme evaluationの実施時期・scopeについて、追加の事実確認が必要か。
  3. Audit Independerのcompetence/independenceをArticle 2(r)(iv)との関係でどのstandards/proceduresがsubstantiatedするのか。
  4. Green Key/Audit IndependerからOTAまで、どのminimum assurance metadataを保持すべきか。
  5. 旧制度で発行されたcertificateをtransition中にdownstream dataでどう識別するのか。
  6. 日本の認証施設へどのようなtransition guidanceが提供されているのか。
  7. OTAが“third-party sustainability certification”と表示する際、そのclassificationを支えるunderlying dataは何か。

8.現時点の意味 — 3つの結論

今回の確認から、現時点では次の3点が重要です。

第一に、schemeが表示上のeligibilityを満たすかを確認することと、consumerが保証の意味ある違いを理解できる情報を受け取ることは同じではありません。

legal eligibility
≠
meaningful consumer information

第二に、今回のGreen Key traceでは、upstreamで識別可能だった複数のassurance-related informationの一部が、検索可能なconsumer-facing displayでは確認できませんでした。これは直ちに不適合を意味するものではありませんが、assurance informationのend-to-end traceabilityを検証する必要性を示しています。

第三に、次の検証段階では個別schemeの適否だけでなく、Scheme → Certification / Assurance → Data intermediary → Trader / OTA → Consumerのchainを通じ、どのassurance metadataが保持・更新・伝達され、consumerが保証強度の意味ある違いを識別できるかを確認する必要があります。

9月27〜30日のGreen Key移行期間は、9月25日に設定したOpen Questionとして記録・確認を継続しますが、transition-specificな論点として上記の構造的課題とは区別します。

9.10月2日朝の追加確認

(1) 制度上の発効日と実務システム再開日の区別

Green Keyの2026–2031 Criteriaおよび新Certification Processは10月1日から適用されます。一方、Green Key Internationalからの10月1日自動返信では、世界のoffice closureを9月27日から10月1日まで(両日含む)、application toolの停止を9月26日から10月1日までとし、10月2日に新criteriaでapplication toolを再開すると説明しています。したがって、本Updateでは「10月1日の制度上の発効」と「10月2日の新application systemの実務的再開」を区別します。

(2) FEE自身が2025年に公表していたCertification Body accreditation方針

Green Key/FEEは2025年12月15日の公式年次記事で、2026年にDANAKへscheme approvalを申請するとともに、FEEがits certification bodyのaccreditationを求める方針を公表していました。

10月2日現在、新しいCertification BodyとしてAudit Independerが位置付けられ、新certification processは開始しています。さらに、DANAKはGreen Key scheme evaluationの完了と、Green Key schemeについてCertification Bodyを一社もaccreditしていないことを確認し、RvAはAudit Independer Group自体がRvA-accreditedではないことを確認しました。

このため、Certification Body accreditationの必要性はJaSCAが後から追加した論点ではなく、少なくともFEE自身が2025年末に2026年の制度移行計画として明示していた事項でもあります。

(3) Certified establishments listの更新時点

Green Key公式のcertified establishments listは10月2日朝の確認時点でも“last update 25 September 2026”と表示されています。同ページはlistを月1回更新すると説明しています。

したがって、9月27日のEmpCo適用開始および10月1日の新制度発効後も、公開list上では旧制度下で認証された施設と新制度下で今後認証される施設をconsumer/downstream userが区別できる状態にはまだなっていません。これは直ちに不適合を意味するものではありませんが、transition中のcertificate provenance/scheme version/validity informationをどこまで下流へ伝えるかというdata-governance上の論点を具体化します。

(4) Booking.com表示

10月2日朝に確認できるBooking.comのGreen Key認証施設ページでも、“This property has 1 third-party sustainability certification”/“Green Key (FEE)”というconsumer-facing presentationが継続しています。検索可能な表示からは、旧/新certification process、Certification Body、scheme version、certificate validity、accreditation status等の違いは識別できません。

(5) 関係機関への一次確認状況

JaSCAは10月1日、FEE/Audit Independer、DANAK、RvAにそれぞれ事実確認を求めました。10月2日、DANAKおよびRvAから上記の直接回答を受領しました。FEE/Audit Independerからはtransitionに関する自動返信を受領していますが、Certification Bodyのexternal substantiationに関する実質回答は引き続き確認中です。

10.次の確認

本Update公表後も、以下を継続確認します。

・FEE/Audit IndependerによるCertification Body accreditation/external substantiationの説明
・DANAK回答を踏まえたGreen Key側のpublic status表記の更新・整合
・Article 2(r)(iv)との関係でAudit Independerのcompetence/independenceをsubstantiatedするstandards/procedures
・JARTAによる日本向けtransition information
・Travalyst list/declarationの更新
・Booking.com等OTAにおけるconsumer-facing certification display
・旧/新certificateを識別するprovenance、scheme version、validity等のminimum assurance metadata

本Updateは2026年10月2日朝までに確認した公開情報およびJaSCAへの受信情報に基づく差分記録です。9月25日Interim Reviewと併せて参照してください。